2019年5月に成田ホノルル路線に就航したウミガメのデザインが施されたANAの新型機エアバスA380「フライングホヌ(FLYING HONU)」のファーストクラスに乗りました!
乗客500名以上を収容できる二階建ての巨大旅客機。機内の天井には虹のイルミネーションがかかるなど、外装に留まらず完全にハワイを意識した斬新なデザインと演出でJAL国際線の牙城と言われるホノルル路線に参入。
新品のインテリアに加えて、快適性と利便性が追求されたシート・設備はホノルル路線の中で群を抜いたクオリティ!
私自身、初めてのANAのファーストクラスということもあってこのフライトを楽しみにしていました。フライングホヌは3機ありますが、今回利用したのは2号機の次男「Kai」。2019年6月18日に運航開始されたばかりのピカピカの機材でした。このページでは、自分自身の振り返りも兼ねて、2019年7月に搭乗したフライングホヌのファーストクラスの搭乗記を紹介します。
目次
予約(特典航空券):120,000マイル+27,320円
今回は、貯めたANAマイルを使って特典航空券で発券しました。
かかったマイルと諸経費は120,000マイル + 空港使用料などが27,320円(成田~ホノルル往復ファーストクラス)。
新機材フライングホヌ x 人気のホノルル路線の特典航空券とあって激戦が予想されたため、販売開始日の2019年1月10日に正座待機して臨みましたが、就航直後の5月・6月の空席はなく、やっとこさ7月の空席を確保することができました。使い道に困っていたANAマイルで無事発券できてラッキーでした!
また、有償発券の場合、往復30万円台で販売している日程があります。ANAのファーストクラスの中では最も低価格で販売している路線なので、ファーストクラスに乗ってみたいとお考えの方にもおすすめの路線です。
ファーストクラスの内観・設備など
シート・収納
フライングホヌのシートマップはANA公式サイトに掲載されています。収容乗客人数(520人)や座席の配置は、3機あるフライングホヌすべて同じです。ファーストクラスは、2階席の先頭にあります。
ファーストクラスは、横4席1-2-1x2列の計8席。
従来のANAファーストクラスと席数も配列は同じですが、シートごとにドアが設置され、よりプライベート感が増しました。就航直後とあって内装も新しく快適でした。
また、頭上収納が設置されたファーストクラスは珍しいです(私の知る限りでは他社で設置されているのはアメリカン航空のボーイングB777のみ)。好みはそれぞれですが、頭上にキャリーケースを収納したい派の私としては最高です。
トイレ
ファーストクラス乗客専用のトイレはキャビン前方左右にひとつずつ計2つ。
同社の従来のファーストクラスのトイレよりも格段に広いです。
しかし、驚くのは広さではなく機能性。トイレで着替える際に「靴を脱いでトイレの床に素足で立つのは嫌だ」という声に応える形で「収納式着替え台」が設置されていました。これを使えば、床に素足をつけずにズボンからパジャマへスムーズに着替えことができます。あると便利なアイテム。収納式着替え台が搭載された民間航空機はおそらくANAだけではないでしょうか?
機内Wi-Fiサービス(無料)
ANA国際線の機内Wi-Fiサービスは時間単位で課金される有料サービスですが、ファーストクラスの乗客は特別に無料で利用できます。往路・復路ともに、一度も途切れることなく、サクサクとインターネットへアクセスできました。
ファーストクラスのアメニティポーチ(グローブ・トロッター)
他の路線と同様に、ファーストクラスの乗客にはイギリスのブランド「グローブ・トロッター」のアメニティポーチが支給されます。ホノルル便限定キットはありません。
ポーチのカラーは、ANAの公式サイトによると5色展開ですが、当日にカラーを選ぶことはできず(?)、往路はベージュ、復路はブルーを支給されました。
その他備品&プレゼント(パジャマ、スリッパ、ヘッドセット)
ファーストクラス機内食
機内食のメニューは、誰でもANAの公式サイトで確認できます。
このページでは、2019年7月のフライトで注文した食事とドリンクの写真と感想を紹介します。
NH184便:成田→ホノルル(2019年7月)
成田発のファーストクラス機内食は、深夜かつ飛行時間が短いことを考慮してホノルル発の復路と比べて簡易なサービス。出発から2時間30分以内に最初のサービス提供を終えるよう配慮されています。出発時刻が20時10分なので、日本時刻の22時40分ごろにはすべての機内食の提供を終えることを目標にしているようです(あくまで目標。飛行状況や乗客のペースやニーズにも依ります)。
実際に私がフライトした際も22時30分までのデザートとコーヒーの提供を終えました。
アペタイザー(前菜)が残念だったので不安な出だしではありましたが、概ね美味しくて満足。着陸前に食べたアラカルト料理も美味しかったです。ホノルル発の復路の食事がイマイチだったので成田発往路の素晴らしさが余計に際立ちました。
特にメインディッシュの牛フィレ肉の焼き加減が絶妙で、今まで食べた機内食の中で自分史上2番目に美味しいステーキでした!(一番はエティハド航空のパリ発のファーストクラスで食べたステーキ)
NH181便:ホノルル→成田(2019年7月)
復路ホノルル発の機内食で提供されるコース料理は、従来のANAが提供しているフルコースメニューを提供。
最初のサービスは、往路成田発の便と比べて品数が多く、目安として出発時刻からおよそ4時間かけてすべての料理の提供します。また、1食目の後は着陸直前まで好きなアラカルト料理を好きなタイミングで注文できます。
コース料理は、和食・洋食の2種類の用意があり、中でも洋食はハワイ・オアフ島指折りの高級リゾートホテル「フォーシーズンズ リゾート オアフ アット コオリナ(Four Seasons Resort Oahu at Ko Olina)」内のイタリアンレストラン「ノエ(Noe)」の。日本人シェフ高塚良料理長が監修したホノルル発オリジナルメニューを提供しています(エコノミークラスはbillsとのコラボメニューを提供しています)。
今回は、フォーシーズンズホテル大好きな私は話題性も手伝って迷わず洋食を食べたが期待ハズレ。これまで経験してきた他社のファーストクラス機内食と比べても、残念な内容でした。特に、メインディッシュのステーキはホントに不味かった。
全体を通して、フォーシーズンズホテルとはまったく関係のないアラカルト料理のお茶漬けが一番美味しかったのは皮肉ですね。
あとがき&他エアラインのA380ファーストクラス搭乗記
感想は次の通り。
- シートは快適、素晴らしい
- ホノルル路線の中では最高の機材&シート
- 機内食はソコソコ
- コスパを考慮するなら、往路はビジネスクラスで機内食をパスしてグッスリ眠るのも良い
久しぶりのハワイも楽しく、定番リゾートの素晴らしさを再認識。次回の渡ハ時もフライングホヌに乗りたいです。
また、ANA以外のA380のファーストクラスもそれぞれ特徴があって楽しかったです。以下にこれまで搭乗したA380ファーストクラスの搭乗記の中からいくつかを紹介します。ご興味のある方はお読みください。
まず、2017年に利用したカタール航空のA380ファーストクラス。縦・幅ともに十分な広さでソファシートは柔らかく快適。スタイリッシュかつ異国情緒を感じるインテリアも素敵です。機内後方のファーストクラス・ビジネスクラスの乗客専用ラウンジでは、カクテルを注文できるバーカウンターや乗客同士が歓談できるソファスペースがあります。機内食は、特に美食の街である、パリ発の料理が美味しかったです、さすがパリ。
2018年9月に搭乗した、シンガポール航空の580便:シンガポール→上海のA380スイートクラス。アームチェアとは別にフルフラットベッドが備わった個室タイプの新型ファーストクラス。搭乗時に客室乗務員に「Your "Room" is 1A」と案内された通りまさに客室、歩きまわれるくらい広々としたプライベート空間は圧巻。ファーストクラスに対する概念を覆された思い出に残るフライトでした。
2018年10月に搭乗した、アシアナ航空541便:仁川→フランクフルトのA380ファーストスイートクラス。高いパーテーションで区切られたプライベート性の高い個室タイプ。機内食の韓国料理はこれまで食べた機内食の中でナンバーワンの美味しさ!機内WiFiがないことを除けば不自由のないフライトでした。
2018年10月に搭乗した、エティハド航空38便:パリ→アブダビのA380ファーストクラスアパートメント。高いパーテーションで仕切られたプライベート空間の中に、高級感溢れる革張りのアームチェアと2m以上のフルフラットベッドが設置された「部屋」。ファーストクラスの乗客専用のシャワールームもあります。美食の街パリで積み込んだ厳選食材で「フライングシェフ」が腕を振るう機内食は美味、特に絶妙な焼き加減のステーキは今まで機内で食べたビーフステーキの中で一番美味しかったです(今回のフライングホヌのステーキはエティハドに次ぐ美味しさ!)。
2018年10月に利用したエミレーツ航空91便:ドバイ→ミラノ、エアバスA380のファーストクラス。周囲ではエミレーツを絶賛する声は多く、初フライトを楽しみにしていましたが、シートは窮屈、一見煌びやかに見える内装はチープな印象、機内食は味もプレゼンテーションもイマイチ、客室乗務員のサービスは良かったものの全体的に期待ハズレでした。今回だけで良し悪しを判断せず今後もチャンスがあれば積極的に利用したいです。
2018年11月に搭乗した、中国南方航空の中国国内線(広州→北京)、エアバスA380-800ファーストクラス。2018年にスカイトラックス社による格付けで、1年間で最も改善がみられた航空会社に贈られる「The World's Best Improved Airline」を受賞した成長著しいエアライン。機内サービス・ホスピタリティは想像をはるかに超えたレベルの高さ。インテリアは他社と比較すると高級感に欠けますがファーストクラスの名に相応しい居心地の良さがありました。機内食も悪くはありません、味付けは高級店のような上品さがありプレゼンテーションは途上ながらも乗務員達の努力と工夫が垣間見えました。
最後までお読み頂きありがとうございました。