China Southern Airlines:A380-800 Exterior at Guangzhou Airport,China
航空業界の格付調査会社SKYTRAX社による格付けにおいて、1年間で最も改善がみられた航空会社に贈られる「The World's Best Improved Airline」を受賞した中国南方航空。
「Top 100 Airlines in 2018」でも昨年から9位も順位をあげ、14位(参考:ANA3位、JAL13位)に急上昇、成長著しい航空会社として世界から注目を集めています。
先日は、2018年末にスカイチームを脱退することを発表し、界隈を賑わせました(ワンワールドへ移籍してしまうのでしょうか?)。
今回は、スカイチーム脱退前にと、デルタ航空のマイレージプログラム「デルタスカイマイル」を使って発券した、エアバスA380-800のファーストクラスを利用しましたので、その様子を紹介します。
インテリアは、他社のファーストクラスと比較すると高級感に欠けますが、ファーストクラスのシートはその名に相応しい居心地の良さがありました。
機内食も、他社と比べると「中の下」ですが、想像よりも悪くありません。味付けは高級店のような上品さがあり、プレゼンテーションは途上ながらも乗務員達の努力と工夫が垣間見えました。
引き続き様々な点が改善されるでしょうし、今後の成長が楽しみなエアラインだと思います。
目次
A380-800就航路線(2018年11月27日時点)
中国南方航空は、総二階建て旅客機エアバスA380-800を5機保有しています。
運航路線は、広州-ロサンゼルス、広州-北京、北京-深センの3路線のみ(2018年11月27日時点)。広州-ロサンゼルスを除く中国国内線は、他の機材(A330-300など)で運航している便が大半、エアバスA380-800に乗りたい方は「狙い撃ち」でご予約ください。
エアバスA380-800を運航しているのは次の8便。特に中国国内線については当日の機材変更はつきものなので、心づもりはしておきましょう。
出発/到着 | 便名 | 運航日 | 現地出発時刻 | 現地到着時刻 |
---|---|---|---|---|
広州 - ロサンゼルス | CZ327 | 毎日 | 9:30 PM | 7:40 PM |
ロサンゼルス - 広州 | CZ328 | 毎日 | 11:50 PM | 05:40 AM +2 |
北京 - 広州 | CZ3000 | 毎日 | 9:30 AM | 12:45 PM |
広州 - 北京 | CZ3999 | 火、水、金、日 | 3:00 PM | 6:10 PM |
広州 - 北京 | CZ3999 | 月、木、土 | 3:00 PM | 6:15 PM |
広州 - 北京 | CZ3099 | 毎日 | 9:00 AM | 12:10 PM |
北京 - 広州 | CZ3104 | 毎日 | 3:30 PM | 6:45 PM |
深圳 - 北京 | CZ3191 | 毎日 | 5:30 PM | 9:00 PM |
北京 - 深圳 | CZ3192 | 毎日 | 11:20 AM | 2:30 PM |
一覧表引用元:https://global.csair.com/JP/JP/JTXX/FLUS/NHJD/FLAG
今回は、広州発北京着(CAN→PEK)のCZ3999便を利用した時の様子を紹介します。
デルタスカイマイル30,000マイルで片道発券
China Southern Airlines:Domestic Firstclass Seat is available by Delta SkyMile on the internet
スカイチームに加盟する航空会社のファーストクラス特典航空券は、一部の例外を除いて提携他社のマイレージでは発券できません。
例えば、エールフランスやデルタ航空のマイレージをどれだけたくさん持っていても大韓航空のファーストクラス特典航空券を発券することができません。
しかし、中国南方航空は前述の一部の例外が適用されます。多くの中国国内線ファーストクラスは、提携他社のマイレージを使って特典航空券を発券できます。
すべての提携他社マイレージで発券できるのか定かではありませんが、今回は同じスカイチームに所属するデルタ航空の「デルタスカイマイル」で広州→北京の片道ファーストクラスを発券できました。
今回調べた限りでは、空席は多く、年内ならほぼ毎日空いてました。
必要マイル数はたったの片道30,000マイル(広州発なら+100円)、しかもデルタ航空のスマートフォンアプリから簡単に予約できて便利です。
中国南方航空はスカイチームを2018年12月31日に脱退予定。脱退後もこの運用が続くかは分かりません。
ファーストクラス:キャビン・シート
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Cabin SeatMap
画像引用元:SeatGuru Seat Map China Southern Airbus A380-800 (388)
エアバスA380-800の座席数は、ファーストクラス8席、ビジネススクラス70席、エコノミークラス428席の合計506席。
ファーストクラスは、2階建ての機内の1階席(メインデッキ)の先頭にあります。
配列は横4席x2列。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
今回の座席は2A、窓側2列目のシートです。
客席と通路が座席よりも高いパーテーションで仕切られているプライバシー性の高い構造です。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
2Aを前方のパーテーション上から撮影。
縦の長さは窓3つ分を優に超えます。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
2Aを後方から撮影。
シート前方に設置されたモニターは壁掛けタイプの固定式。チェアの肘掛け設置されたコントローラーで操作します。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A & 1A
お隣の2Dから通路側を撮影。
扉を開けたままでも着席した状態なら、乗客同士目があうことはありません。高いパーテーションのおかげでプライバシーが確保されるのでこのタイプ好きです。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
扉を閉めると着席した状態では外から様子をうかがうことができません。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2D & 2G
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2D & 2G
中央席2列目の2Dと2G。
中央2列は横並びで、乗客同士が会話のできる距離感。シート間のパーテーションは外壁ほどの高さはありませんが、プライバシーを保てます(上げ下げができます)。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2D & 2G
後方から全景を撮影。
パーテーションが高いので、全体を見渡すことができません。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2D
2Aからお隣の2Dを撮影。タイ国際航空と同じくパープルを取り入れた内装ですが趣は異なります。タイ国際航空の方が高級感がありますね。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
扉を閉めてフルフラットにしてみました。
縦・横ともに一人で寛ぐには十分なスペース、快適でした。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A
横になって下から見上げると、パーテーションの高さをさらに実感できます。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Ceiling
頭上収納がなく開放感があります。
ファーストクラス:収納・設備・アメニティ(機内WiFiなし)
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat 2A Ottoman
ファーストクラスのシートは、オットマン下のスペースにスーツケースを収納できるスペースが確保されていることが多いですが、こちらにはありません。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Personal Closet
頭上にもオットマン下にも収納がないので、スーツケース等の大型荷物は客室乗務員に預けます。預けた荷物はキャビン前方にあるプライベートロッカーにまとめて収納されています。
ただし、乗客は自由に利用できません。客室乗務員にお願いします。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Closets around Seat 2A
座席周りの収納スペースは4個所。
オットマン内のシューズケース、オットマン横とシート横(ともに通路側)のマガジンラック、肘掛付近に小物ケースがあります。
前述の通りコートやジャケット、大型荷物は客室乗務員に預けられるのでこれだけの収納で十分です。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Seat Controller
チェアの肘掛けの隣にあるシートコントローラーで座席を調節します。
他社ファーストクラスでよく見かける、タブレットタイプのコントローラーはありません。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Windows
窓の日よけは手動で上げ下げします。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Personal Controller,USB Port
チェアの肘掛け付近のカバーを開けると、小物入れ、モニター等のコントローラー、USBポート給電やヘッドセットのコネクタがあります。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Power Supply
この他に、オットマンの付近に日本のプラグをそのまま差し込める電源コンセントがあります。
China Southern Airlines:A380-800 Firstclass Slippers
短距離かつ国内線なので、アメニティポーチの支給はなし。スリッパは予め用意されていました。
機内WiFiはありません。
ファーストクラス:機内食
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal Menu List CAN→PEK NOV.2018
今回搭乗した便(CAN→PEK CA3999便)のフライト時間はおよそ3時間。
離陸前に、メニューと提供するタイミング(離陸直後 or 着陸前)の希望を聞かれました。
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal Menu List CAN→PEK NOV.2018
メニューは、アペタイザー、スープ、メイン、主食、デザートの5品。スープとメインはプリフィックスのため、それぞれ1品ずつ注文しました。
冒頭で述べた通り、他社のファーストクラスと比べるとレベルは「中の下」ですが、想像していたよりも悪くありません。
アメリカン航空やブリティッシュエアウェイズのように「見るからに不味そう」、「食べられない」といったことはありません。
中華料理をセレクトしましたが、高級料理店のような上品な味付け、プレゼンテーションも途上ながら常務員の努力と工夫が垣間見えました。
China Southern Airlines:Firstclass Welcom Snack & Drink CAN→PEK NOV.2018
まず、搭乗時にはすでに紅茶とビスケット?が用意されていました。ウェルカムサービスです。しかし、予め準備されていたので紅茶はすでに温くて飲めたものではありません。このあたりのサービスは改善の余地があります。
ビスケット?は塩気が強くて食べられませんでした。
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
離陸後間もなく機内食の準備が始まります。
丁寧にテーブルコーディネートをして頂きました。
写真では分からないでしょうが、カトラリーの汚れが気になりました。
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
冷菜とスープが運ばれてきました。
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
急須の中身はチキンスープ、隣にある小さな湯呑に移して飲むスタイルです。冷菜はイマイチでしたがチキンスープは美味しかったです。「急須の中にある鶏や野菜もお箸を使ってお召し上がりください」とのことなので食べてみると、具にしっかりスープが染み込んでジューシー、美味しかったです。
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
メイン料理は、Hot Pot Rice(ホットポットライス)をチョイス。
ホットポットライスは、シンガポールやマレーシアに滞在した時は欠かさず食べている大好物、迷わず注文しました。
しかし、イメージしていたものと違い、ライスの上に味付濃厚なサラミようなお肉が乗っています。そして、ご飯に味が染み込んでおらず全体的に薄味。肩透かしを喰らいました。
とはいえ、空の上というロケーションを考慮すれば、十分です。
China Southern Airlines:Firstclass In-Flight Meal CAN→PEK NOV.2018
デザートは、おしるこ、フルーツの盛り合わせ、シャーベットの3品。
おしるこは、気圧の関係で舌の感覚が鈍ってしまったのか、文化の違いなのか、定かではありませんが薄味でした。
フルーツは、いずれもまだ若く、食べごろでない状態。
シャーベットは、不味くはないけど美味しくもない。これ以上糖分を摂取したくはないので残しました。
あとがき
大陸系のエアラインに初めて乗りましたが、機内のサービスやホスピタリティのクオリティは、私の想像をはるかに超えていて、己の無知を恥ずかしく感じました。また、幸いにも日本語を話せる客室乗務員には特に親切に接して頂けいたので、安心してフライトを楽しめました。
機内食や設備も引き続き改善されれば、もっと楽しめそうです。今後が楽しみなエアラインだと思います。(まずは機内Wi-Fiを搭載してほしいです...!)
冒頭で述べた通り、今回はデルタ航空のマイレージプログラム「デルタスカイマイル」を使って発券しました(片道:30,000マイル)。スカイチームに加盟している2018年中は中国国内線に限りファーストクラス特典航空券を発券できるので、興味のある方は是非お試しください(CAN→PEKは有償でも片道およそ14万円、ファーストクラスにしてはリーズナブルなお値段です)。
「デルタスカイマイル」は、アメリカン・エキスプレス・ジャパン株式会社が発行する各種クレジットカードのご利用で貯める(または、貯めたポイントを交換して取得する)ことができます。
特に、デルタ航空との提携カードであるデルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス®・ゴールド・カードは、最大で34,000ボーナスマイルを獲得できる入会キャンペーンを実施中(入会後3ヶ月以内に合計30万円のご利用達成が条件)。中国南方航空がスカイチームに在籍している2018年中(残り1か月)のマイル加算は難しいですが笑、デルタスカイマイルを貯めたい方はご参考ください。
これらのアメリカン・エキスプレスのクレジットカードについては、下記のページで詳しく紹介しているのでご参考ください。
最後までお読み頂きありがとうございました。