Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A
航空業界の格付調査会社SKYTRAX社による格付けにおいて、最高位の5つ星を獲得したエティハド航空。
今回は念願叶ってエアバスA380-800に搭載されたパーテーションで仕切られた個室タイプ「ファーストクラスアパートメント」を利用しましたので、その様子を紹介します。
シンガポール航空が「新スイートクラス」を投入して話題になりましたがエティハド航空のファーストクラスアパートメントは、他社に先駆けて個室タイプのシートを投入した元祖スイートクラスです。
シートが素晴らしいのは写真をご覧いただければ容易に想像頂けるでしょうが、今回はそれ以上に機内食のクオリティの高さに驚きました。シェフが機内に帯同する「フライングシェフ」の実力を堪能、美味しい機内食を存分に楽しみました。
A380-800運航路線(2018年11月18日時点)
エティハド航空のファーストクラスアパートメントは、エアバスA380-800(全10機)という機材にのみ搭載されたシートです。
現在、エアバスA380-800を運航している路線は次の4路線(2018年11月18日時点)。該当する路線でも、運航機材が(B777など)エアバスA380-800以外の場合ファーストクラスアパートメントは搭載されていないのでご注意ください。
- アブダビ - ロンドン(AUH-LHR)
- アブダビ - パリ(AUH-CDG)*今回のフライト
- アブダビ - ニューヨーク(AUH-JFK)
- アブダビ - シドニー(AUH-SYD)
今回は、パリ発アブダビ着のEY38便を利用した時の様子を紹介します。
シートマップ
Etihad Airways:A380-800 SeatMap
画像引用元:SeatGuru Seat Map Etihad Airways Airbus A380-800 (388)
エアバスA380-800の座席数は、ファーストクラス11席、ビジネスクラス70席、エコノミークラス417席の合計498席。
ファーストクラス11席のうち、9席が今回利用したファーストクラスアパートメント(シートマップ青枠箇所)、残りの2席が最上級クラスの「ザ・レジデンス」(シートマップ赤枠箇所)です。
ファーストクラスアパートメントは座席によって、
- アームチェアの向きが、前向き or 後ろ向き
- アームチェアの位置が、窓側 or 通路側
という違いがあります。個人的には前向き・窓側の4Aと4Kがベストシート(シートマップ参照)。特に後ろ向きの座席が苦手な方は、前向きタイプの2A、2K、4A、4Kをお取りください。
「ザ・レジデンス」は、専用のリビングルームの他に、専用のベッドルームとシャワールームが用意された客室。2名まで利用できて、料金は1名でも2名でも同額です。見学させて頂きましたが、ホテルにあるようなふかふかのベッドが用意されていて、ファーストクラスアパートメントよりもさらに高級感・特別感のある内装でした。
「ザ・レジデンス」の様子は、エティハド航空公式サイトをご覧ください。
シート&設備
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Aisle
ファーストクラスアパートメントは、2階建ての機内のアッパーデッキ(2階)の先頭にあります。
中央の1本通路の左右に計9席の客室があります。客室と通路は高いパーテーションで仕切られています。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A
パーテーションで仕切られた客室は、歩きまわれるほど広々としたプライベート空間。アームチェアの他に、およそ2mの長さのフルフラットベッドや三面鏡があります。
先にご紹介した通り、ファーストクラスアパートメントはアームチェアの向きや位置が客席によって、前向き・後ろ向き、窓側・通路側の組み合わせで異なります。今回利用したシート4Aは、アームチェアが前向き・窓側のベストシートです。
- 前向き・窓側:2席(4A・4K)*今回のシートタイプ
- 前向き・通路側:席(2C・2H)
- 後ろ向き・窓側:席(3A・3K)
- 後ろ向き・通路側:3席(1H・5C・5H)
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A
革張りのアームチェアは高級感があり、メンテナンスも行き届いていて汚れや軋みはほとんどありません。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Reclining Bed
革張りのベッドは、アームチェア横のボタンを操作してフルフラットにできます(背もたれがフラットになって横幅が伸びる)。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Reclining Bed
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Reclining Bed
ベッドメイキングを施せば、写真の通り、機内とは思えない広々とした寝室に様変わり。これほど寝心地が良かった機内ベッドはありません。もっとぐっすり眠りたかった。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Dressing Table & Closet
アームチェアの隣の扉は、各種クローゼットや鏡台が設置されています。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Dressing Table
大きな三面鏡があるので自席でもメイクアップできます。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Mini Bar
下部引出しのミニバーには、ペットボトルのミネラルウォーターとソフトドリンク(缶)があります。しかし、いずれも常温なのでコールドドリンクがほしい時は客室乗務員に注文します。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Seat 4A Closet
充実の収納スペース。
引出し等の収納庫は合計3箇所、パスポート、スマートフォン、ヘッドホンなど身の回り品の置き場所に困りません。また、客室と通路を仕切るパーテーションにはコート掛けがあります。
リクライニングベッドの下にはスーツケース2個分以上のスペースがあり、大型荷物はすべてこちらに収納できます。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Amenity Pouch
アメニティポーチは、イタリアのACQUA DI PARMA(アクアディパルマ)製。学生の頃使っていたペンケースにそっくりですが、手触りがよくてカッコいい。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Amenity
ポーチ内のアイテムは少なく、靴下、アイマスク、歯ブラシ、アクアディパルマのコスメのみ。
Etihad Airways:A380-800 Firstclass Apartment Amenity
毛布、スリッパの他、深夜便のためパジャマも支給されます。
パジャマはスベスベで着心地が良かったです。
Etihad Airways:A380-800 Lobby Area
エミレーツ航空やカタール航空のA380-800には、ファーストクラスキャビンとビジネスクラスキャビンの間にお酒やカナッペ、スイーツがオーダーできるバーカウンターがありますが、エティハド航空にはありません。代わりに、ファーストクラスアパートメントの後方に、乗客同士が歓談できる6人掛けのソファースペース「ザ・ロビー」があります。
ファーストクラス専用機内シャワールーム
エアバスA380-800には、シャワールームが2室あり、一室は「ザ・レジデンス」の乗客専用、もう一室はファーストクラスアパートメントの乗客が使えます。
現在、機内にシャワールームが設置されている民間航空機はエティハド航空とエミレーツ航空のエアバスA380-800のみ。
写真はありませんが、トイレが併設されていてエミレーツ航空のシャワールームと比べると狭いです。スイッチを押すと10分間シャワーが使える仕組みで、シャンプー、コンディショナー、ボディーシャンプー、バスタオルなどは、備えつけられています。
原則予約制、離陸前に客室乗務員から利用有無を聞かれます。
機内WiFi:Fクラス乗客は90MBまで無料
Etihad Airways:A380-800 Inflight Wi-Fi
機内WiFiがありました。
使用できる容量に応じて3種類のプランがあり、価格はそれぞれ30MB:4.95USD、90MB:11.95USD、180MB:19.95USD。プランを選択後クレジットカード等で代金を支払います。
Etihad Airways:A380-800 Inflight Wi-Fi
ファーストクラスアパートメントの乗客には、バウチャーが配布され、スクラッチを削ってコードを登録すると、90MBまで無料で使用できます。
しかし、写真のダウンロードやYouTubeの閲覧などをしているとすぐに制限の90MBに達してしまいます。私はインターネットを閲覧していただけのはずなのに、およそ30分で制限に達してしまいました。何度も購入する手間を省くためにも、無制限プランを販売(提供)してほしいです。
機内食
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal CDG→AUH OCT.2018
エティハド航空のファーストクラスでは、専任シェフがフライトに帯同し腕を振るいます。
機内食専任シェフ、いわゆる「フライングシェフ」のサービスは、ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)やオーストリア航空も行っていますが、これらのエアラインはビジネスクラスが最上位クラス。エティハド航空は、ファーストクラスでもシェフが帯同している数少ないエアラインなのです。
エティハドの機内シェフは、国際的に訓練を受けた資格を満たしたシェフが担当いたします。食に関するアイデアを用い、上空約10キロから一品一品のダイニングを創作します 機内シェフは情熱をもってお料理をお作りしています。専用ダイニングでは、充実したアラカルトメニューからのお料理をはじめ、ザ・グリルメニューからのお好みに応じたステーキ、新鮮な食材を使用した特別な一品をご用意しております。
引用元:https://www.etihad.com/ja-jp/experience-etihad/our-cabins/first-class11/
離陸前に、メニューやソースの味付けなどを詳しく説明してくれました。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal CDG→AUH OCT.2018
今回搭乗した便(CDG→AUH EY38便)は、パリ21:55発、アブダビ朝6:40着、飛行時間6時間45分の深夜便。
ほとんどのエアラインは、深夜フライトの場合、就寝前のディナーか起床後の朝食、いずれかしか提供しません。しかし、今回の便ではディナーと朝食のメニューがあり、さらに到着後にアブダビ国際空港の到着ラウンジでも食事が提供さるので、合計3回。
もちろん、ファーストクラスアパートメントの乗客は、これらの食事を好きなタイミングで注文できますが、胃袋泣かせのミールプランだと思いました笑
今回はディナーをフルコース、朝食を少しだけ頂きました。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Welcome Dates & Arabic Coffee CDG→AUH OCT.2018
フライト前に、デーツとアラビックコーヒーを頂きます。カタール航空やエミレーツ航空も同様、中東のエアラインではお決まりのサービスです。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
白を基調とした美しいテーブルコーディネートがファーストクラスの雰囲気にピッタリ。陶磁器はすべてMade in JapanのNIKKO製、カトラリーはピッカピカで使用感がありません。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
一品目のキャビア。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
ブリニがホットケーキのようにフカフカしていて特徴的、サワークリームとオニオンをトッピング、レモン汁をかけて食べました。今回のブリニは相性がよく、今まで機内で食べたキャビアセットの中で一番美味しかったです。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
二品目のポテトとリークのクリームスープ。ジャガイモのクリーミーさとリークの香りがミックスされた、濃厚だけど爽やかな味わい。最高に美味しかったです。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
お口直しのレモンソルベは、デザートの代わりになるほどのボリューム。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
メインのビーフステーキ。
焼き加減はミディアムレアで注文したところ絶妙、今まで機内で食べたビーフの中で断トツのナンバーワン。サイドディッシュの野菜や穀物はすべてパリ積み込み。農業大国フランスで調達した食材だけに鮮度がよくて甘みがあります。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Dinner CDG→AUH OCT.2018
デザートでチョイスしたアプリコットケーキもミシュラン星付きレストランクラスの美味。
最初から終わりまで最高のディナーでした。
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Breakfast CDG→AUH OCT.2018
Etihad Airways:Firstclass In-Flight Meal Breakfast CDG→AUH OCT.2018
ディナーの後に軽く就寝。
着陸1時間30分前、お腹はあまり空いていませんでしたが、朝食を頂きました。アラカルトメニューの中から好きな料理を選ぶスタイルで、オレンジジュース、ヨーグルト、季節のフルーツを注文しました。
先に紹介した通り、到着後もアブダビ国際空港の到着ラウンジで食事を摂ることも可能。満腹&ホテルの送迎リムジンを手配していた事情もあってパスしましたが、ファーストクラスの乗客なら誰でも利用できるし、評価も高いようなのでお時間のある方は是非お試しください。
あとがき
かけ足で紹介しましたが、ファーストクラスアパートメントの雰囲気を感じて頂けたでしょうか。
今回はエティハド航空のマイレージプログラム「エティハド・ゲスト」(片道85,000マイル)を使って特典航空券を発券しました。「エティハド・ゲスト」はアメリカン・エキスプレスのご利用で貯まるポイントプログラム「メンバーシップ・リワード®」から交換できます。
「メンバーシップ・リワード®」が貯まるアメリカン・エキスプレスのクレジットカードについては、下記のページで詳しく紹介しているのでご参考ください。
この他にも、スリランカ・コロンボ発のシドニー行きをはじめ、片道30万円前後で発券できる方法もあります。こちらの詳細は他の機会にお伝えします。
また、冒頭で話題に挙げたシンガポール航空の「新スイートクラス」の様子はこちらの記事をお読みください。
最後までお読み頂きありがとうございました。