Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Seat 1F & 2F
航空業界最高の栄誉、SKYTRAX社の「エアライン・オブ・ザ・イヤー2018」を受賞したシンガポール航空。
今回は同社のエアバスA380-800に搭載された新スイートクラスの様子を紹介します。
新スイートクラスは、2017年から搭載されたリクライニングチェアやフルフラットベッドが備わった個室タイプの新型ファーストクラスで、発表当初は随分話題になりました。
シンガポールから上海へ、5時間あまりの短いフライトでしたが、最新のシートや5つ星のサービスを存分に堪能できました。
今後、新スイートクラスをお乗りになる方、なりたい方のご参考になれば幸いです。
A380-800:新スイートクラス運航路線(2018年11月1日時点)
新スイートクラスは、同社が保有するエアバスA380-800という機材に搭載されています。現在は、一部の機材にのみ搭載、2020年までに保有するすべてのA380-800(全19機)へ搭載される予定です。
現在(2018年11月1日時点)、新スイートクラス搭載機材で運航している路線は次の5路線。ただし、該当する路線で機材がA380-800でも旧スイート(2017年以前に導入されたシートのこと)で運航している便もあるため、その見極めが必要です。
- シンガポール - 香港(SIN-HKG)
- シンガポール - 上海(SIN-PVG)*今回のフライト
- シンガポール - シドニー(SIN-SYD)
- シンガポール - ロンドン(SIN-LHR)
- シンガポール - チューリッヒ(SIN-ZHR)
最も簡単な方法は予約窓口でオペレーターに「こちらの便は新スイートクラスですか?」と尋ねること。インターネットで確認したい方は、その便のスイートクラスの座席表を確認すること。6席であれば新スイート、12席であれば旧スイートです。当然、運航機材がA380-800以外の場合も新スイートではありません。
シート&設備
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin SeatMap
画像引用元:シンガポール航空公式サイトシートマップ(PDF)
新スイートクラスが投入されたA380-800の座席数は、新スイートクラス6席、ビジネスクラス78席、プレミアムエコノミークラス44席、エコノミークラス343席の合計471席。旧スイートクラスの12席に対して新型はわずか6席しかありません。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Aisle
2階建ての機内のアッパーデッキ(2階)の先頭にあります。
配置は横2席1-1x3列。写真の通り、客席と通路は大人の身長ほどある高いパーテーションで仕切られています。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Room 1F
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Room 1F & 2F
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Room 1F & 2F
パーテーションで仕切られた個室タイプの座席には、リクライニングチェアの他に2m近くあるフルフラットベッドもあります。
搭乗時に客室乗務員から「Your "Room" is 1A」と案内されたように、歩きまわれるほど広々としたプライベートな空間、まさしくSeatではなくRoomでした。(ここからは「座席」や「客席」ではなく、「客室」と呼びます)
今回は1Aを指定しましたが、1Fと2Fには乗客がいなかったのでこちらの客室を中心に撮影しました。1Aと2A、および1Fと2Fの客室間に壁がなくベッドを連結させることもできます。知らない乗客同士等の場合は客室間を仕切るパーテーションを上げることでプライバシーを確保できます。
なお、最後列の客室3Aと3Fはパーテーションではなく壁で仕切られており、開閉はできません。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Room 2F
イタリア・トリノの高級家具メーカーポルトローナ・フラウ(Poltrona Frau)製の革張りリクライニングチェアは、備え付けのタブレットを操作して好きな方向(270°方向)へ回転できます。
リクライニングも調節できますが、フルフラットにはできません。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Room Full Flat Bed
就寝時は壁際にあるフルフラットベッドを取り出します。ベッドメイキングはもちろん客室乗務員にお任せです(今回は短距離&日中のフライトのため使用しませんでした)。
さきほども紹介した通り、1Aと2A、1Fと2Fはベッドを連結させてダブルベッドにもできます。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Room Closet & Power Supply
収納は、窓側に3つの小物入れケース、客室と通路を仕切るパーテーションにコート掛け、足元にマガジンラックがあります。
スーツケースは客室内の有り余る空間に置いておけば良いので大型荷物を収納するスペースは不要なのです。
電源コンセントは日本のプラグをそのまま差し込むことができる形状です。この他、USB給電ポートなどもありました。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Control Panel
タブレットは取り外しができるので、好きなところでリクライニングの操作やエンターテイメントの検索や設定ができます。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Carpet
綺麗なカーペット。
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Toilet
Singapore Airlines:A380-800 New A380 Suites Cabin Toilet
新スイートクラス乗客専用トイレは広々としていて化粧台もあります。エティハド航空やエミレーツ航空のようなシャワールームはありません。
アメニティポーチは、日中のフライトだからなのか支給されませんでした。
機内WiFi:新スイートクラス乗客は無料
機内Wi-Fiが使えました。
新スイートクラス/ファーストクラスの乗客は100MBまで、ビジネスクラスの乗客およびPPSクラブ会員は30MBまで無料です。
指定されたURLにアクセスしてE-mailアドレスと姓、座席番号を入力するとインターネットに接続できます。途切れることなく円滑にWebサイトやツイッターにアクセスできました。
機内食
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG SEP.2018
今回搭乗した便(SIN→PVG SQ580便)では、離陸直後に機内食の提供が始まりました。
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG SEP.2018
プライバシー性の高い個室でリクライニングチェアをモニター側へ向けて映画鑑賞、自宅にいるかのように寛ぎながらゆっくり食事を楽しめました。
機内エンターテイメントには邦画も多数収録されていて、当日は池井戸潤原作の「空飛ぶタイヤ」を鑑賞しました。
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Menu List SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Menu List SEP.2018
当日の機内食は、有名シェフがプロデュースする「インターナショナル・カリナリー・パネル」(JALのBEDD、ANAのConnoisseurのような位置づけ)の中華料理(担当シェフ:朱俊(Zhu Jun))のコースとアラカルトの2種類。
中華料理が推しメニューではありますが、アラカルトをオーダーしました。
アラカルトは好きなものを好きなだけ好きな順番にオーダーできますが、形式とし、看板メニューのサテーの後に、前菜、スープ、サラダ、メイン、デザートが続くプリフィックススタイルです。今回はそれぞれ1品ずつ注文しました。
感想は、料理の味そのものは世界最高峰の機内食とは言い難く、ファーストクラスの機内食としては平均点。美味しい料理もあればそうでないものもありました。しかし、新スイートクラスというファーストクラスの中でも一層特別な空間で食べる機内食は、思い出に残る素敵なものになりました。
美味しかった料理は、看板メニューのサテー、前菜のキャビアとロブスター、デザートのアイスクリーム。特に看板メニューのサテーは保温状態や焼き加減が絶妙でピーナッツソースを絡めて美味しく頂けました。
一方、あまり美味しくなかった料理は、サラダ、メイン料理のラムステーキ、フルーツ。ラムステーキは許容範囲をやや超えた臭み、野菜とフルーツは固くて甘みの薄いものばかりでした。また、フルーツは籠の中から好きな果物を選んでセルフカットするスタイルで食べることすら面倒に感じました。
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Chicken & Lamb Satay SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Chicken & Lamb Satay SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Malossol Caviar & Lobster Medallions SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Malossol Caviar & Lobster Medallions SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Minestrone Soup SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Salad SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Lamb Loin Stake SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Macadamia Dulce Ice cream SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Seasonal Fruits From Basket SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Seasonal Fruits SEP.2018
Singapore Airlines:Suites/Firstclass In-Flight Meal SIN→PVG Chocolate SEP.2018
あとがき
かけ足で紹介しましたが、新ファーストクラスの優雅な雰囲気を感じて頂けたでしょうか。
新スイートクラスの様子をさらに詳しく知りたい方は、こちらのブログをおすすめします。シドニー発シンガポール行きのSQ232便にお乗りになられた時の体験が詳しく紹介されています。(今回体験できなかったダブルベッドも紹介されています)
今回はシンガポール航空のマイレージプログラム「クリスフライヤー」(片道95,000マイル、種別:Advantage)を使って特典航空券を発券しました。マイルを使ってシンガポール航空のファーストクラスおよび新旧スイートクラスを発券する方法や「クリスフライヤー」が貯まるクレジットカード等については、別の機会に紹介します。
最後に、2016年11月に利用した名古屋発のビジネスクラスやチャンギ国際空港のラウンジの様子も合わせてお読み頂けると嬉しく思います。